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褒めのコツ

褒めるときに言ってはいけない言葉とは?「やればできる」がNGな理由

褒めるときに避けたい言葉は、たしかにあります。代表格は「やればできる」。一見応援に聞こえるこの言葉が、なぜ相手を傷つけうるのか。この記事では、NGになりやすい褒め言葉と、その言い換えを紹介します。

先にお伝えしたいのは、「言ってはいけない言葉」を怖がって褒めなくなるのが、いちばんもったいないということです。避けたいパターンはほんの数種類。それさえ知っていれば、安心して褒められるようになります。

「やればできる」は、なぜ言ってはいけないのか

「やればできるよ」は励ましの定番ですが、受け取る側にはこう聞こえることがあります。

  • 「今のあなたは、やっていない」という裏メッセージになる
  • 本人はもう十分やっているのに、努力を見てもらえていないと感じる
  • 「できる」前提を勝手に置かれ、できなかったときの逃げ場がなくなる

つまり「やればできる」は、相手の現在の頑張りを飛ばして、未来の結果だけを勝手に約束する言葉なのです。頑張っている最中の人にとって、これほど孤独な励ましはありません。

△「やればできるよ」

◎「ここまでやってきたこと、ちゃんと知ってるよ」

◎「今のやり方、いいと思う」

言い換えのコツは、未来ではなく「すでにやっていること」に目を向けることです。

能力を断定する褒め言葉:「頭がいいね」「才能あるね」

意外かもしれませんが、能力そのものを褒める言葉も注意が必要です。心理学者キャロル・ドゥエックらの有名な実験では、「頭がいいね」と能力を褒められた子どもたちは、その後難しい課題への挑戦を避けるようになりました。一方「がんばったね」と努力を褒められた子どもたちは、難しい課題にも意欲的に取り組んだのです。

能力を褒められると、人は「その評価を守ること」が目的になってしまいます。失敗したら「才能がない」ことになってしまうから、挑戦できなくなるのです。

△「才能あるね」

◎「この表現にたどり着くまで、たくさん試したんだろうなと思いました」

誰かと比較する褒め言葉:「○○さんより上手だね」

比較による褒め言葉は、2つの問題を抱えています。ひとつは、引き合いに出された人を下げていること。もうひとつは、「比較で評価される世界」に相手を引き込んでしまうことです。今日は勝っていても、明日は負けるかもしれない。比較で得た自信は、比較で簡単に崩れます。

比べるなら、他人ではなく過去のその人と。「前より良くなってる」は、誰も傷つけない最強の比較です。

条件付きの褒め言葉:「〜のわりに」「〜にしては」

「初心者のわりに上手だね」

「若いのにしっかりしてるね」

「女性にしては論理的だね」

「わりに」「にしては」が付いた瞬間、褒め言葉は「あなたの属するグループは本来劣っている」という前提を運んでしまいます。条件を外して「上手だね」「しっかりしてるね」「論理的だね」と言えば済む話です。属性ではなく、目の前の行動だけを見ましょう。

上から目線になりうる言葉:「えらいね」「よくできました」

「えらいね」は、先生が生徒を、親が子を評価する構図の言葉です。対等な関係や目上の人に使うと、「上から評価された」と感じさせることがあります。

関係性によっては問題ないことも多いのですが、迷ったら「評価」ではなく「自分の感想」として伝えるのが安全です。「えらいね」の代わりに「尊敬します」「私にはできないことです」と言えば、目線の高さの問題は消えます。

まとめ:NGワードの共通点と、安全な褒め方

避けたい言葉には共通点があります。それは「相手の現在をちゃんと見ていない」ことです。

  • 「やればできる」→ 今の努力を見ていない
  • 「才能あるね」→ 過程を見ていない
  • 「○○さんより」→ その人自身を見ていない
  • 「〜のわりに」→ 属性しか見ていない
  • 「えらいね」→ 対等な相手として見ていない(場合がある)

安全な褒め方は、結局ひとつです。相手が実際にやっていることを、具体的に、自分の感想として伝えること。それさえ守れば、褒め言葉が人を傷つけることはほとんどありません。